ゆとり教育を受けてきたゆとり世代

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ゆとり世代とは、色々な定義の仕方があるようですが、1987年から1996年生まれの人の事を指します。

一般的にゆとり世代は、小中学校では2002年度、高等学校では2003年度に施行された学習指導要項で育った世代のことです。

では、ゆとり教育を具体的に掘り下げていきましょう。

ゆとり教育は、詰め込み教育の反動であり、詰め込み教育で育った人の問題点を改善しようとしたものです。

詰め込み教育は、学習指導要項が多く、一般教養や基礎知識を叩き込む教育が行われました。

そのため、自主的に行動する気持ちが弱く、柔軟な発想や想像ができないと指摘されてきました。

この指摘事項を是正すべくゆとり教育がスタートしたわけです。

ゆとり教育の学習指導要項は、

  1. 豊かな人間性や社会性
  2. 自ら学び自ら考える力
  3. 個性を生かす教育
  4. 特色ある教育,特色ある学校づくり

これらの4つが文部科学省から掲げられています。

豊かな人間性や社会性

豊かな人間性や社会性は、資源の無い日本にとっては非常に重要です。

人が生活するために必要な資源を他の国から輸入しなければならないからです。

また、発展途上国がますます勢力を伸ばし、日本に追いつき、追い越される時代はそう遠くないでしょう。

今後、グローバル化が進み、海外と取引する企業が増え、それが当たり前になっていく時代です。

日本人は、除け者にされることを嫌い、常に他人の目を気にするという特徴があるようです。

ですから、集団行動を取ることが多いと言われています。日本人の集団行動は、外国人からの評価も低く、気持ち悪いという声さえ聞きます。

世界各国とうまく関係を築くには、集団で行動することが必要な場合もありますが、時には自分の意見・意思をしっかりと発言できる人材が必要となってきます。

小さい頃から、世界中の人間や社会を学び、人格を形成するという理念の基、豊かな人間性や社会性を掲げているのです。

自ら学び自ら考える力

自ら学び自ら考える力は、詰め込み教育では無かった自学自習自考し、受動的な学習ではなく、自主的に学習する力の事を指します。

与えられた問題を解決する能力より自ら問題を発見する能力を育てることだと言えます。

今まで日本は資源または原材料を輸入し、加工し、より良い製品にして輸出してきました。

仕入れたものに付加価値をつけ、利益を上げて成長してきた日本では、問題を解決し、より効率的により良質な製品を開発することには長けていますが、問題を発見する能力は極めて低いと言われています。

日本が世界を牽引していくためには、問題発見能力と問題解決能力を両方持ち合わせた国になることが不可欠です。

ですから、不足している問題発見能力をもった人の育成を始めたのです。

個性を生かす教育

個性を生かす教育は、豊かな人間性や社会性を育んでいく上で重要なポイントになります。

今までの詰め込み教育では、個性を伸ばすような教育は少なく、むしろ個性をなるべく殺すような教育でした。

個性を生かす教育は、それぞれの人に合った教育をしなければ、個性を生かすことは出来ないので、あまり現実的では無いという意見が多数あります。

ですが、ここでいう個性を生かす教育というのは、学校での学習時間を減らし、自由時間を増やすことで、自分がやりたいことを出来る時間を設けたことなのでしょう。

本当の個性を生かす教育とは、小さいうちから色々な体験や経験をさせ、その中で自分がやりたいと決めたものや自分が得意だと気づかせてやることだと思います。

自由時間を設けたところで、子供が出来る行動は限られています。もちろん、子供だけで出来る行動で友達と遊ぶ、絵を描くなども、とても大切なことです。

ですが、親が手を貸すことで子供が出来る事は大幅に広がります。スポーツをする、勉強をするなど、子供が今はやりたいことなのかわからないことを、たくさんやらしてあげることです。

子供に理論的な言葉で説明しても、あまり意味はなく、子供にやらして直感的に「面白い」、「楽しい」と感じてもらうことが必要です。

ここで重要なのは、たくさんの体験をさせることは親ですが、最終的に何をやるか決めるのは子供だということです。

個性を生かす教育は国に任せるのではなく、親が子供のために何をしてあげられるかをじっくりと考えることが必要なのかもしれません。

特色ある教育,特色ある学校づくり

特色ある教育,特色ある学校づくりは、お飾りのようなものですね。

豊かな人間性や社会性・自ら学び自ら考える力・個性を生かす教育を実施するには、各地域、各学校で、独自の取り組みをしろということでしょう。

ゆとり世代の特徴

このように平成10年度に政府が掲げたゆとり教育に関する学習指導要項を説明してきましたが、ゆとり教育をしてきたことにより、批判的な意見が多く挙がっています。

ゆとり世代が1987年から1996年の間に生まれた人なのですでに社会に出て働いている方が多くなっており、起こす問題が結構あるようです。

ゆとり世代の特徴として

  • 心が折れやすい
  • 極度の心配性
  • 受動的

が挙げられます。

ゆとり世代は心が折れやすい

ゆとり世代は心が折れやすいです。

上司から叱られたり注意されたりすると、次の日に退職願が机の上に置かれていることがあったります。

ゆとり世代の中でもごく一部の人なのでしょうが、少なくとも他の年代の方にはない事例です。

よく言えば、感受性が豊かなのでしょうが、これでは上司は落胆するどころか、呆れ返ってしまうのは分かります。

ゆとり教育では、先生が叱ることが少ないのです。

学習指導要項に掲げられている個性を生かす教育では、叱ることは個性を殺すことにつながりかねないからです。

よって、ゆとり世代は、叱られることに対する耐性が無いのかもしれません。

ゆとり世代は極度の心配性

ゆとり世代は、極度の心配症です。

何をするにしても、この先の展開を考えて、失敗することを恐れています。

失敗した先の上司から怒られる事を想像してしまい、行動に制限がかかってしまうのです。

本当はやらないことの方が怒られるし、怒られるということは、期待されている証拠でもあります。

怒られなくなるということは、一人前の社会人として成長したかもしくは、期待されなくなることです。

ゆとり世代は、失敗経験から成功体験を学ぶプロセスがしっかり確立させていないことが分かります。

学校や親は将来失敗しないように勉強や教養を身につけさせようとしますが、大きな失敗は取り返しがつかない場合が多いですが小さな失敗をさせることも重要ではないでしょうか。

ゆとり世代は受動的

ゆとり世代は、受動的な面も持っています。

いわゆる受け身の体制ですね。

簡単に言うと、何かを指示されないと行動が出来ないというのがよく言われている受け身の体制の典型的な例です。

逆に能動的主体的な行動は、必ず何かを思考しています。

自ら行動するためには、思考が働かなければなりません。

たとえば、「トイレに行きたい」と思うから、トイレに行くのであり、今日のランチは何しようか考えて、「パスタにしよう!」と決めたから、パスタ屋にいくのです。

受動的な行動しか取れないということは、「自ら学び自ら考える」力がないということなのです。

ですから、ゆとり教育が掲げている「自ら学び自ら考える」が失敗しています。

これは教育の影響は小さく、時代背景に大きな理由があります。

インターネットが急速に普及し、ゆとり世代は、どっぷりインターネットに浸かっています。

キーワードを入力する場、数百万件ものサイトがヒットし、上から順に良質なサイトが並んでいます。

インターネットに書いてあることが鵜呑みにしてはいけませんが、知りたい情報があれば、すぐに知ることが出来ます。

今自分の中にある知識の中で、「この情報はこういうことではないか」、「この問の答えはこれではないか」と推測したり、想像したりすることが極端に減ってしまったのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

ゆとり世代を学習指導要項や時代背景から説明をしました。

ゆとり世代がどのような特性を持っているのかお分かり頂けたと思います。

今回の記事では、マイナスなイメージで特性を取り上げましたが、裏を返せば、いい面でもあります。

ゆとり世代と言われ、抵抗を感じている人や、ゆとり世代といい関係を築けるか心配されている人の助けになれば、幸いです。

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