ニートを脱出するためには、経験から基づく自己分析が必要となる方もいます。なぜニートになってしまったかを自分自身を省みることは非常に重要です。ニートになる原因は様々で、色々なことが複雑に絡み合っています。ニートになる契機は大別すると3種類に分かれます。
1. 育った家庭環境(今現在も含める)
2. 学校や塾の教育環境
3. 会社や国が作った社会環境
これらは、間接的もしくは直接的に人を内在している環境で、自分に与える影響は年齢が若くなればなるほど、肥大していきます。では、各環境の説明とニートになる原因について説明していきましょう。
育った家庭環境(今現在も含める)
育った家庭環境は、もっとも重要な性格を決定する場です。人格は、家庭環境・教育環境・社会環境によって決められていき、性格よりも変化します。
人格は成長する中で感銘を受けたことや、経験から学ぶことで、形成されていくものですが、性格は一度形成されてしまえば、変化しにくいものです。性格という基盤の上に人格が積み上げられていくとイメージすれば、分かりやすいかと思います。
つまり、性格というのは、為人を決める根幹であることが分かります。性格が固まってくると、人格の方向性もある程度決められていきます。
育った家庭環境が性格・人格に大きく影響してくることがわかったところでニートになってしまう家庭環境とはどのようなものでしょうか。一般的に両親の育て方が非常に重要だと言われています。
育て方には「支配」・「服従」・「保護」・「拒否」の4つのタイプを組み合わせたものと言われています。理想の育て方は4つのタイプのバランスが取れ、子供の行動によって使い分けることです。
「支配」と「拒否」の育て方は、家庭環境が原因でニートになることは少ないです。端的に言うといつまでも家にいることができず、働かなければ、家を追い出され、自分で生きていく選択肢しか残されなくなるからです。
また、「支配」と「拒否」の割合が大きく、「服従」と「保護」も含まれるのであれば、ニートになってしまうことは多くあります。「支配」と「拒否」を続けると子供は人の顔色伺って生活したり、自分は何もできない人間だと思うようになったりします。
しかし、成長するにつれてストレスや不安が蓄積していき、それが爆発した時に家で暴れるようになり、体格・力で親は支配できなくなります。
そうすると「服従」と「保護」の割合が増え、子供は暴れていれば親は何もできないと勘違いし、ニートになってしまうパターンです。
子供が正当な理由で頼み事をするとき、同時にその頼み事が保護を内在しているときは、「服従」と「保護」を実行しなければならないが、正当な理由なく命令する場合の「服従」と「保護」の組み合わせが最悪で、良いことと悪いことの分別がつかなくなってしまうのです。
これを繰り返すことにより、子供は自分のいうことは何でも通ると思い、身勝手な行動を助長してしまうのです。
学校や塾の教育環境
学校や塾の教育環境は、勉学を学ぶ場所でもあり、他人と接する場所でもあります。
ここでのニートになる原因は、成績不振によるやる気の低下と、生徒に無関心な先生や同級生によるいじめなどが挙げられます。
成績不振による学力低下
成績不振によるやる気の低下は、自分が費やした時間と労力が無駄であったと認識してしまい、何事に置いても「自分がやってもダメだ」と思うようになります。
まず何がうまくいかなかったのか考えてみることからはじめましょう。
自分がダメな人間だからと抽象的に捉えずに、「単に勉強時間が足りなかった」、「非効率な勉強をしてしまった」のように具体的に落としこんで考えてみてください。時間が足りなければ、時間を増やせばいいし、効率の良い勉強法がわからなければ、インターネットで調べるか、先生や友達に相談してみるのもいいでしょう。
それでもダメなら勉強は人並みにして、自分が勝てる分野を探してみてください。どんな小さなことでもいいです。絵がうまいとかゲームをやりこんでいるとかなんでもいいです。
自分自身を認め、他人に認められたとき、あなたが自信を持つことにつながります。
いじめ
いじめは、一生残るトラウマになることもあります。やった側はどのようなことを思ってその行動に至ったのかというのは関係なく、やられた側がいじめと思えば、それはいじめなのです。
いじめられた記憶は、本人にとって余程の出来事がない限り、寄生虫のように心を蝕み続けます。いじめの記憶が強く残れば残るほど、人との関わりを持つこと恐れるようになり、ひきこもりやニートの原因になります。精神疾患や精神障害になる方も多く、大半がひきこもりやニートの生活を送っています。
いじめの記憶やトラウマを解消するためには、どうしたらいいのでしょうか。非常に難しいことかもしれませんが、「自尊心を高めること」、「信頼できる人を作り、いじめられたことやトラウマを話してみること」です。
人と関わることに恐怖心を抱き、苦しんでいる方にこれらをすぐに実行することは無理です。本来の自分を取り戻すためには、長い時間をかけ、焦らず少しずつ変えていきましょう。
・ 一日3食しっかり食事を取る
・ 早寝早起きを心がける
・ 時間を決めて、外にでる機会を作る
・ 同じ境遇にいるSNS上の友達に話してみる
上記の例を挙げてみました。これをやるということではなく、自分で決めたことをチャレンジしてみる気持ちが一番大切だと思います。小さな目標を立てて実行してみてください。
国や会社が作った社会環境
今までは問題なく育ち、学校へ行っていた方が、社会環境でニートになってしまうことも少なくありません。
原因としては、受動的に「してもらう環境」から、能動的に「する環境」に一変してしまうことが挙げられます。
「してもらう環境」というのは、教育や扶養してもらう環境です。この環境・期間の中でも能動的に何かに取り組むことは日常で行われますが、精神的金銭的な観点から見ていくと社会にでるまでは、「してもらう環境」の括りで扱われます。
「する環境」は、「してもらう環境」で依存していた人たちから自立し、生きるために能動的に動いていかなければなりません。社会環境に染まっていく中で、研修や教育があると思いますが、これは仕事をする(スキルを磨く)ための教育であり、一般常識や道徳などを学ぶ「してもらう環境」の教育とは意味合いが異なってきます。
誰かに依存している状態から強制的に依存を断ち切った状態に移行した時、不安やストレスを感じ、耐えられなくなってしまうことや、全く知らない環境に放り投げ出されるわけですから、戸惑い、どうしたら良いかわからなくなる場合もあります。または、上司からのいやがらせ等もあるでしょう。
「してもらう環境」で失敗経験と成功経験を多く積んだ人は、「する環境」でもつまずきながらも、立ち上がり、失敗経験から成功へと結びつけるビジョンを持っているので、大きな挫折感を味わうことは少ないでしょう。
しかし、「してもらう環境」で親や先生などのいうことを忠実に実行し、自分で思考して問題解決をしてこなかった人たちは、公式に当てはめられない社会環境で、無力感と挫折感を味わい、再起不能になってしまうことが多いのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。3つの環境からいずれかが自分に大きな影響を与えていると思います。精神的な病は、つらい経験から発症することが多く、ニートになる大きな原因です。
現状を見つめなおし、これからどういう人生を送っていくか考えるときなのかもしれません。