就活における面接で、不当な扱い・選考をされたと思っている学生は約半数にも昇ります。
具体的には「学歴」「容姿」「コネ」「性別」などが挙がっています。
もちろん日本は日本国憲法における基本的人権に含まれる平等権で差別されない権利を持っていますから、それが客観的に差別と認識されれば、正当な糾弾になるでしょう。
厚生労働省が定める採用選考
厚生労働省が定める採用選考の実施方法は、以下になります。
応募者の基本的人権を尊重すること
応募者の適性・能力のみを基準として行うこと
応募者に広く門戸を開くこと
本人のもつ適性・能力以外のことを採用の条件にしないこと
参照:http://www2.mhlw.go.jp/topics/topics/saiyo/saiyo1.htm
具体的に何が言いたいかというと家族状況や生活環境などは、適正・能力とは何ら関係がなく、面接時にそのような意味合いを含む質問はしてはいけないということです。
厚生労働省によって定められた採用選考の考え方ですので、違反するようなことがあれば、職業安定法に基づく改善命令が発出されることもあります。
「本人の持つ適正・能力以外の事を採用条件にしないこと」とありますが、求めている適性・能力は会社によって様々ですし、短い面接時間の中で応募者の背景を知らずに適正・能力を計ることは非常に困難です。
また、文部科学省は子供の学力と家庭環境に相関があるという調査結果を発表しています(http://www.nier.go.jp/13chousakekkahoukoku/kannren_chousa/pdf/hogosha_summary.pdf)。
会社の殆どは、学力を基準に応募者をふるいにかけますし、適正・能力と生活環境になんの因果関係も無いという厚生労働省の内容と文部科学省の発表内容が食い違っていることがわかると思います。
少し話がそれましたが、おそらく、就活で不当な扱い・選考をされたという学生は本当に全てが不当な扱いをされていたわけでないのでしょう。
そもそも「学歴」は厚生労働省の採用選考方針に抵触していませんし、「容姿」「コネ」「性別」も面接の流れから直接3項目に関する質問は少ないですし、「容姿」は話す必要がなく判断がつきますから、抵触しているとは言いにくい項目です。
「学歴」は不当な選考ではない
どのような面で不当だったのか具体的に知る必要がありますが、「学歴」のみで不当な選考をされたというのは完全なお門違いであり、高卒大卒の方がそのように糾弾されても、なぜ高校や大学に進学したのですか?という話になってしまいます。
どこかで高校や大学に進学しておけば、就職する時に有利に働くと思っていたはずです。裏を返せば、学歴が採用選考の基準になり、ある程度順位がつけられることを理解しているということです。
「容姿」は仕事で有利に働く
「容姿」が仕事では有利に働くという事実は忘れてはいけません。
俳優や女優、タレント等が顕著な例ですが、容姿ありきの仕事です(少し語弊があるかもしれません…)。
また、受付の方や客室乗務員など綺麗どころを揃えている印象もあります。
会社も「容姿」だけで採用可否を判断しているわけではなく、飽くまで判断材料の一つとして考えているのかもしれません。
「コネ」って?
そもそも「コネ」で不当な選考をされたとはどのような意味なのでしょうか。
「コネ」と回答した人が多いことを考えれば、出身校が同じ人が会社に多いということでしょうか。
推測があっているとすれば、情報収集能力が低いです。
採用担当者が採用基準で大きな比重においているのは、業界研究や企業研究をしているかどうかです。
しっかり企業研究がなされていれば、自分の出身校がどの程度いるのかも考慮の一つに入れておくべきです。
逆に「コネ」を作ることも大切です。
OB・OG訪問をしてある程度のコネクションを築くのも就活の一つといえるでしょう。
「性別」について
やはり「性別」に関する不当な選考は女性に多いようです。
結婚・出産後の就業意向は聞かれることが多く、厚生労働省の採用選考方針に抵触しています。
しかし、終身雇用制度を取っている企業にとっては、定年まで働いてもらうことを前提で給与や待遇を算出しています。
男女雇用機会均等法により男女差別することなく、雇用しなければなりませんが、まだまだ男性と女性が社会で活躍することは、実現できていません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
いろいろな側面からみれば、不当な扱い・選考と言い切れない部分がありそうですが、法に従えば、不当なものは不当なのでしょう。
女性活躍へ1000億円増の予算案も出ているので、今後の展開が気になるところです。