厚生労働省の調べ(1月20日)によると、就職活動を始める学生が企業選びをする上で最も重要視している基準は将来性だそうです。
そもそも将来性とは、将来、発展・成功するであろうという見込みという意味です。
企業の将来性を見極める先見性を持ち合わせているということなのでしょうか。
そのような先見性があれば、投資家で成功できます。
もちろん、終身雇用制度が今も根強く残る中で、就職して働いていく時、発展していく企業が望ましいのは、当たり前の話です。
ですが、就活生は何をもって、将来性の有無を判断し、企業選びをしているのでしょうか。
考えられるのは、「将来性の意味を間違えて認識している」「企業の将来性ではなく、自分の将来性を考えている」の2つ挙げられます。
将来性の意味を間違えている
現在の就活生にとって、「将来性がある」というのは、「生涯にわたって働ける」、「安定した給料がもらえる」と同義になってしまっているのかもしれません。
将来性がある企業を本当に求めるのであれば、ベンチャーや中小企業で規模は小さいがこれから成長していくかもしれない企業を選ぶはずです。
将来性の有無や程度を問えば、成熟した大企業よりもベンチャーや中小企業などの伸びしろのある企業の方が将来性はあるでしょう。
しかし、圧倒的に多くの就活生が成熟した大企業を志望していることは間違いなく、矛盾を感じます。
前回と今回の厚生労働省の調査で「給与・待遇が良い」「福利厚生が充実している」「休日・休暇が多い」の順位が上がり、2位以下での変動がみられましたが、1位の「将来性がある」は、ある意味逆行しているようにも取れます。
自分にとっての将来性
自分自身が成長し、成功を収めるという観点で将来性があると判断するのであれば、企業の成長はあまり関係のない話なのかもしれません。
大企業に入れば、企業自体は成長せずとも、教育制度・研修制度は盤石ですし、昇進すれば、平均年収よりも大幅に高い年収を得ることも出来ます。
これらが、今の就活生にとっての成長や成功を意味するのであれば、将来性があるというのもうなずけます。
自分自身の成長が企業にとっての成長にもつながりますが、企業に献身して働くことはありませんから、緊急事態や非常事態に身を粉にして働くことは望めません。
もし、自分にとっての将来性を意味しているのであれば、企業は新入社員に働く意義を求めてはいけないのかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
社員でも、自分が従事している企業に将来性があるかどうかは、分かりません。
面接や履歴書の志望動機に「将来性を感じる」というワードは、印象が良くないことでも容易にわかります。
それは、どの企業にも使用できるし、採用担当者でも明確に将来性があるとは、言い切れないからです。
どちらにせよ、企業の仕組みを理解していれば、容易に「将来性がある」などとは出てきませんから、違和感を覚えてしまいます。
今後、学生の企業選択基準の変化が気になるところです。