大卒がフリーターになる3つの理由

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大卒でフリーターになる人は、文部科学省の「平成25年度学校基本調査」によると、約1万7千人と言われています。

大学卒業者が約56万人ですからおおよその比率は約3%です。ちなみに非正規社員・フリーター・無職をあわせると約20%になります。

この場合、大学卒業時点での進路であるため、就職後にやめてフリーターになる人は含まれていません。

大学へ進学する目的は、大学で勉強する間に、やりたいことを見つけ、より良い職に就いて安定した人生を送りたいと思う方が多いのではないでしょうか。

もちろん、勉強に真剣に取り組んでいる人もいますが、大半の大学生が勉強というよりサークルや遊びに明け暮れている印象を受けます。

最近の大学へ進学する目的の根源にあるものは、大学を卒業したという認定を受けることです。

学歴社会である日本では、いい大学の卒業認定を受けられれば、いい就職先が選べる(人柄やコミュニケーションにもよる)という単純な構造です。

大学卒業までのプロセスは下図のようになります。

フリーターまでのプロセス

具体的に分岐させると、進学や休学、中退なども出てきますが、「大卒がフリーターになる理由」では、議論の対象にならないので省略しています。

大学生が卒業してフリーターになるまでのプロセスは、

  1. 就活しない→卒業(フリーター)
  2. 就活する→内定未獲得→卒業(フリーター)
  3. 就活する→内定獲得→卒業(就職)→卒業(フリーター)

の3つに分けられます。

就活しない→卒業(フリーター)

1.の就活をしないでフリーターになる人は、「何をしたいか分からない」、「やりたいことがあってお金を貯める」、この2つに分類されます。

何がしたいかわからない人は、色々な職業に関して情報をかき集めます。

かき集めた情報をもとに、どのようなメリット・デメリットがあるのかを精査して就職先を決定しようとします。

この場合、仕事と割り切って選択が出来る人は就職先を早々に決められるのですが、仕事と割り切れず漠然と「楽しそうな仕事がしたい」、「楽な仕事がしたい」と考えている人は、デメリットばかりが目立ってしまい、面接を受ける会社さえも決まらなくなります。

考えているうちに時間は経過していき、このまま大学にいても自分のやりたい仕事が見つからないと思うようになり、フリーターで生計を立てながら、やりたい仕事を見つけようという心理が働きます。

少なくとも4年間は大学に在籍して、やりたい仕事を見つけられなかった人が、フリーター生活の中でやりたい仕事を見つけるのは、非常に難しいことかもしれません。

やりたいことがあってお金を貯める人は、会社に就職するよりやりたいことが出来る環境に身を置き、自分でやりたい仕事が出来るようにお金を貯めている状況が多いです。

例で言うと、飲食店を出すという目標がある人がいたとします。

おそらく、この目標を達成する最短の道のりは、飲食店(個人経営)で働き、オーナーや店長と仲良くなり、色々なことを任せてもらえるように努力することでしょう。

そこで経営のノウハウや料理の出し方などの基本的なことを教われるし、貯金もでき、自分で勉強する時間を設けることも可能です。

このように就活をしないでフリーターになる人は、大学生活を送る中でやりたいことが見つけられなく、仕方なくフリーターをしている人と自分の目標を達成するために、一般的な会社に就職することが最適では無いと考えた時に、フリーターとして一度働く人に分けられます。

就活する→内定未獲得→卒業(フリーター)

2.のように就活したが内定がもらえず卒業してフリーターになる人は、かなり少数でしょう。

図にもあるように、就職浪人もしくは、大学院への進学することが圧倒的に多いからです。

就活をした人は少なからず会社で働きたい(働くしかないかもしれないが)人です。

内定がもらえない理由は様々ですが、「学歴」・「面接における対応力」・「顔」などが挙げられます。

ちゃんと就職活動をして、内定をもらえず、フリーターになる人の多くが、失敗経験の無い(もしくは少ない)人です。

例として今までは、要求されたことをそつなくこなし、受験競争も勝ち抜いていい大学に入った人がいたとします。

こういう人は、人に褒められ、自分はできる人間だと自信を持ちます。

自信を持つことは、悪いことではないですが、失敗経験のない人が自信を持った場合、失敗したときに大きな挫折感を味わいます。

精神的にも肉体的にも成長した段階で始めて失敗することは、幼い時に失敗を何度も繰り返してきた人が大きくなって失敗することより、何十倍も大きなダメージを与えます。

まして、人生の岐路ともいえる状況では、その挫折感は凄まじいものでしょう。

立ち直る経験していないので、復活するのに時間もかかりますし、最悪の場合は就職を諦めて、フリーターになる決断をしてしまうのです。

事例としては、少ないですが、一番深刻なケースだと考えられます。

就活する→内定獲得→卒業(就職)→卒業(フリーター)

3.のパターンでフリーターになる人は特に多いのではないでしょうか。

卒業前に内定をもらい、就職してみたが早期に退職し、フリーターになるケースです。

よく耳にする試用期間内の退職です。

これは、大学を卒業して就職した人に限った話ではなく、初めて会社に勤める人、転職して新しい会社に勤める人、全ての人に当てはまる話です。

会社に勤めている(勤めた)人も必ず一度は経験することだと思います。

職場になじめない場合や、待遇が聞いていた話とは違う場合が挙げられます。

職場になじめない人は、なぜなじめないのでしょうか(詳しくは、「職場に馴染めない人が超自然に職場に馴染む3つのスキル」へ)。

職場になじめなく、辞めていく人は、もれなく原因は自分ではないと主張します。

「上司が厳しい」、「会社の雰囲気が自分と合っていない」など、様々ですが、まるで自分中心で会社が回っているかのように話します。

自分が会社に順応しなければならないのに、会社が自分に順応しろと言っているようなものです。

そう考えている人は、職場になじめないのではなく、なじもうとしていないだけではないでしょうか。

なじめないと感じている人は、原因を見極め、自分からアプローチしていかなければならないのです。

なじむための努力を十分したが、結果的になじめなかった場合は、潔く他の職場を探すことも考えましょう。

では、「なじめないんじゃない、そもそも仕事が合わないんだ」と思った方は「仕事が合わないと感じてやめる前に考えること」をご覧ください。

待遇が聞いていた話とは違う人は、まずは相談です。

聞いた話とは違うのであれば、話し合うことが必要です。

残業は月10時間と聞いていたが、先輩や上司の働いている様子を見るとそれ以上に働いている場合、今の自分は残業月10時間以上働いていないが、将来、10時間以上働く可能性が高いと考えられます。

残業で10時間以上働きたくないが、残業代が出るなら別だと考える人もいますし、どんなに残業代が出ようともなるべく残業をしたくない人や、会社の成長に貢献するためにサービス残業なんて喜んでしますという人もいます。

「残業は月10時間と聞いていたのに・・・」と思う人は、間違いなく残業をしたくない人ですが、どの程度なら妥協できるのかを考えてみてください。

しっかりと準備した上で、上司に相談を持ちかけるのです。

上司と話して、考えが変わることもあるだろうし、妥協点が見つかるかもしれません。

話し合いの結果、どうしても納得いかないようであれば、退職することも視野に入れましょう。

まとめ

大学卒業からフリーターになる理由を述べてきましたが、フリーターになるあるいは、就職して後悔しないように、あらゆる視点から自分がどのように生きていくか徹底的に考えることです。

考えた上での決断ならば、後悔することは少ないと思います。

結果として、失敗だと感じても、職に就くか否かを決定する際に、悩み、考えて出した結論だという強い根拠になります。

楽な道を選ぶのではなく、しっかりと自分を見つめなおすことが大切なのかもしれません。

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