ニート・フリーターの数は高止まりし、割合は少子化とともに増え続けています。
「少子化なのにニートが増える原因」では、若年無業者のデータとともに分析し、就職氷河期が長く続いたことによる雇用の悪化で、何度も就職活動に失敗した若年者の就業意欲の低下を示唆しました。
では、政府はニート・フリーターの高止まり状態をどのように解消しようとしているのか探ってみましょう。
自由民主党雇用問題調査会の「若者雇用対策に関する提言」の中で、フリーター・ニート等を減らすための取組が記されています。
以下抜粋
(1)フリーター等を減らすための取組
(2)ニートの早期の職業的自立支援の強化
(3)「地域若者支援員(仮称)」制度の創設
(4)「無機転換ルール」の周知等
これらの施策の実施に95億円の予算が要求されています。
対象として含まれるのは若年無業者であり、「求職型」「非求職型」「非希望型」に分かれています。
それぞれの定義は、
非求職型 就業を希望している者のうち、求職活動をしていない者
非希望型 就業を希望していない者
求職型 上記以外の者
(参考:http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/shugyou/)
ここで問題なのは、主な担い手はわかものハローワークや地域若者サポートステーションであり、「求職型」を中心にアプローチしていて、若年無業者の意識転換ではなく、施設や雇用の拡充を目的としていることです。
「求職型」の人は、自ら施設に足を運び、職を探すために努力しますが、「非求職型」「非希望型」はしません。
いくら施設や雇用の拡充を図っても「非求職型」「非希望型」には、効果がかなり薄いのです。
若年無業者数は220万人とも言われ、「非求職型」「非希望型」は82万人にも昇ります。
今の施策では、「非求職型」「非希望型」を「求職型」へ底上げすることは難しいのではないでしょうか。
某掲示板などでは、「働いたら負け」「ニートは勝ち組」などの投稿をよく見かけます。
「非求職型」「非希望型」には、このような人が大きい割合を占めると思われ、根本的な意識改革が必要です。
そもそも定義上、「求職型」はニートに含まれませんから、政府の掲げる大義名分(2)と施策内容も合致していないように見受けられます。
全ての若年無業者に対するアプローチが出来なければ、現状の問題解消にはつながりません。
今後の動向が気になるところです。