2016年卒業予定の大学3年生に2014年度の就職活動状況と比較してどうなるかアンケートを実施したところ、「厳しくなる」と回答した学生が87.8%あった(株式会社ディスコ 調べ)。
理由として挙がっているのは、就職・採用活動開始時期の遅れだそうだ。
実は厳しくならない
本当の理由は就職・採用活動開始時期の遅れなのでしょうか。
リクルートワークス研究所の調査結果によれば、企業の新卒採用の見通しで「増える」が14.0%で、「減る」が5.3%のようです。
定量的分析をするならば、単純に昨年より求人倍率が高くなれば厳しくなり、低くなれば容易になると考えられます。
就職活動に影響するのは、求人数の増減、もしくは就活生の増減のどちらかになります。
統計局や文部科学省によれば、就活生の増減は見られないことがわかるので、求人数の増減が就職状況の大きく影響を与えることになるでしょう。
現時点で、企業の採用意欲は全体的に見れば上昇しており、採用状況は厳しくならないのです。
学生が厳しくなると回答した理由
就職・採用活動開始時期が遅れによる就活の激化は予想されますが、全ての就活生が同じ条件です。
では、なぜ87.8%もの学生が「厳しくなる」と回答し、主な理由に就職・採用活動開始時期の遅れと回答したのでしょうか。
就活の激化が厳しくなるにつながるのは、育ってきた背景が影響していると考えられます。
「ゆとり教育を受けてきたゆとり世代」でも取り上げましたが、1987年から1996年生まれの人は、少なからずゆとり教育を受けており、物心ついた時にはバブルが崩壊し、景気の悪い時代しか知らないのです。
ゆとり世代は物事を悲観的に見る傾向にあります。
そのため、就活の激化で本当に自分は他の就活生よりも優位に立てるのかという不安で「厳しくなる」と回答したと考えられます。
安定を望み、変化を嫌うゆとり世代には、就職・採用活動開始時期の遅れは悲観的に見えたのでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
現在では、大学の通うのは学ぶためではなく、就職のためにある時代です。
就職・採用活動開始時期の遅れの理由として学修時間の確保が挙がっています。
就職に関心がいってしまうのは、仕方のないことですが、大学生である本分を忘れずに行動することが大切でしょう。